タカシサトウ

その男、凶暴につきのタカシサトウのレビュー・感想・評価

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)
4.0
[ゾクゾクする程の迫力] 

 凄まじくて、ついついまた最後まで観てしまう。たけしの映画の中では最も迫力があり、怖かった。たけしの無表情とか、延々歩くところとか、独特の味がある。 

 乾いた映像が本当に上手く、ハードボイルドとも言えるだろう。内側から出てくる無機質な暴力がなかなかいい。「アウトレイジ」を初めてとして、この映画を形を変えていろいろな作品を作っているということらしい。

 白竜もたけしの存在もかなり怖かった。

 そして、エリックサティを始めとする音楽の使い方も素晴らしかった。
 
 その後の「ソナチネ」も「HANA-BI」もそうだが、ここでのたけしも“死にたがっている”人物に見える。

 これは北野武の映画の原点だろうと思う。(2017.10.21)