完全サイレントの
ルビッチ作品。
王子から滲み出る
品の良さ、
人間性の良さ、
まっすぐ優しく
育った感じが
物語を引っ張ったと思う。
気さくな家庭教師だけが
良き理解者だった幼年期。
そんな中、ひねくれる事なく成長し
青年となった王子は、
学生の街で友情と恋を手に入れる。
人生の春を謳歌する。
永くは続かないけれど。
彼の背負った宿命は、孤独だ。
王子って良いものなんでしょうね。
時折挟み込まれる
人々が無邪気に発するその言葉は、
人知れず彼が孤独であることを
観る側にしっかりと植え付ける。
短くても春が持てて良かった。
思ひ出はきっと彼を支えてくれる。
鑑賞後、そっと思った。
名作は音がなくても名作だなぁ、と。