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震える舌のemilyのレビュー・感想・評価

震える舌(1980年製作の映画)
3.3
埋め立て地で泥遊びをして破傷風に感染してしまった女の子。この病気は刺激によって痙攣をおこしたり、開口障害に苦しみ、死亡率が非常に高い病気だそうで、最後には筋肉が固くなって弓ぞりになったり、息ができなくなって死にいたり非常に怖い病気。今は子供の頃にワクチン注射してますけど、1950年ごろ任意摂取が始まる前は年間1,000人の人が死に至ってた病気だそうです。

少女はこの破傷風で苦しみ、それを支える両親もまた感染の恐怖におびえながら、蝕まれていくヒューマンドラマながら、オカルトテイストを加えることで、子供の悲鳴や開口障害、規則正しい発作・・そうしてなにより恐ろしいのが、管を通された少女は口を聞くこともできず、両親はただ見てるだけ。
何もすることを許されない状態で、二人が蝕まれ、感染してるという恐怖に苦しみ狂っていく姿もかなりの恐怖心をあおる。

特に少女の開口障害や、痙攣による悲鳴、血だらけになった状態で口を開けるために、歯を抜いたりするシーンはかなりの恐怖。そうして観客もただ永遠とその苦しんでる姿を見せられ、その両親同様ただ見てるだけの、状態に苦しむ恐怖を最後まで味わされるのが非常に怖い。

また時代を感じさせる医療設備も非常にチープで恐ろしい。
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