健一

我は海の子の健一のレビュー・感想・評価

我は海の子(1937年製作の映画)
3.5
1937年 🇺🇸映画 モノクロ作品。


第10回アカデミー賞
最優秀主演男優賞(スペンサー・トレイシー)
受賞。


さすが!ヴィクター・フレミング監督。
本作の2年後にあの「風と共に去りぬ」を世に送り出した人。
この時代にこのレベルのダイナミックな作品を何本も作り出してしまうなんて。
本作も「風と共に去りぬ」に負けず劣らず壮大な作品。
もっと評価されてもいいはず。素晴らしい作品でした。

ある大金持ちの大豪邸。父は一流企業の取締役、母は数年前に他界、息子はスーパーおぼっちゃま。
友達や先生にまでワイロを渡して全てを我が物にしたがる自己中おぼっちゃまくん。
ある日 父と2人で船旅に出かけた際 ふとした事から 豪華客船から転落してしまう。
海に浮かぶ中 エマニュエルという一人の漁師に救い出される。
漁船は漁に出ている最中で最低でも あと3ヶ月は陸に帰らないという。
世間知らずな ぼっちゃん と荒くれ者の漁師の 共通点なし凸凹コンビの海の生活がはじまる。

全てをお金で解決してきた男の子が 腕っ節だけで生きてきた海の男達に鍛えられ成長していく様が観ていて心地よい。
この子 最初はホントに オマセさん。だが、男の子に罪は無い。金持ちの両親がこんな風に育てたのだ。
そんな男の子がエマニュエルという漁師と出会い 海の上で過ごして行くにつれて 親子にも似た関係になっていく。よくある原点的な作品なのだろう。

スペンサー・トレイシーが漁師に扮しており 本作でアカデミー賞を受賞。子供に振り回される不器用な男を親近感タップリに演じていて さすがの一言。

そして何より海上のダイナミックな映像。荒れ狂う大波の中を突き進む船上の迫力のシーンにまず驚いた。
この時代の特撮 特有の合成を使った ちゃっちい シーンではなく 恐らく本当に海上で撮影したのかな? 時代を考えればものすごい映像。
改めて 監督 アッパレです!

邦題が 超ダサいのが ちょっと残念。

このタイトルを聞くとどうしても『あの歌』のほうを思い浮かべますよね。
わ〜れは う〜みのこ し〜らな〜み〜の〜。😅


😷コロナパンデミック中に鑑賞😷
健一

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