うにたべたい

電子戦隊デンジマンのうにたべたいのレビュー・感想・評価

電子戦隊デンジマン(1980年製作の映画)
3.5
スーパー戦隊シリーズとしては4作目となる、電子戦隊デンジマンの劇場版。
今日のスーパー戦隊のフォーマットはほぼデンジマンからの踏襲となっています。
そのため、デンジマンは実質的に最初のスーパー戦隊と言っても良いほど、重要な作品だと思います。

デンジマン劇場版は本作のみで、ブローアップではなくオリジナル脚本です。
デンジ犬アイシーによって選ばれた五人の戦士・デンジマンがベーダー一族と戦うおなじみの展開ですが、劇場版らしくストーリーは壮大です。
かつて地球に降り立ったデンジ星の生き残りの末裔の内、デンジ姫から"虹の石"を渡された人物を探すため、ベーダー一族はその末裔と思われる人たちを攫います。
"虹の石"とはデンジマンのパワーの源“デンジストーン”のエネルギーの源であり、ベーダー一族はその力を悪用しようと企んでいます。
"虹の石"がベーダー一族の手に渡ることを防ぐため、デンジマンがベーダー一族の怪人アンゴラーと戦う内容となっています。

デンジマンは、遠い過去に宇宙の果で滅んだ文明の子孫(と、思われる戦士)たちが集結し、地球を守って戦うという、当時のブームもあってSF色が強い設定です。
テレビ放映版ではSF的な場面はそれほど多くないのですが、劇場版ではベーダー一族によりデンジ星が滅ぼされ、アイシーやデンジ姫が脱出した経緯も語られます。
いかにもファンタジーな王女姿のデンジ姫や、妙な凝った設定、二次創作しやすそうなところが子供よりもオタク受けしそうな感じがあります。
劇場版の本作は割りとそういった面が前に出ていて、個人的には子供向け特撮ヒーローというよりもSF映画として楽しめました。
テレビ放映時にも、5人の戦士がデンジ星の生き残りであることは明言されないのですが、本作中では、おそらくそうなのであろうということが垣間見える描写があるのも、ファンタジーらしくて良かったです。

最後は5人で協力し倒した怪人が巨大化、ダイデンジンでとどめをさすといういつもの流れで終幕します。
東映まんがまつりでの上映作品としては46分と比較的長尺で、しっかりと作られていたと思います。