このレビューはネタバレを含みます
第二次世界大戦後のドイツを舞台にした15歳の少年と21歳年上の女性とのひと夏の悲恋物語。
序盤のマイケルがハンナに本を読み聞かせてるシーンはとても美しい。
西欧文学の核となるのは、秘密性だ。
登場人物がどういう人間か、作者はある時は意地悪くある時は深い目的のために情報を明かさない。読者は行間を読み取って登場人物をイメージせねばならない。
↑の言葉が印象的だったし、この物語のキーワード!
識字率トップクラスの日本人には、ハンナの文字を読めない事を隠した気持ちは理解し難いことだと思う。
アウシュヴィッツの看守で実刑を受けた人が少なかった事にはびっくりした!
ナチス・ドイツの話が絡むと暗くなるね。
最後ハンナが自ら命をたって本当に切ない気持ちになった。
愛を読むひと、それがいるだけで幸せだ。
今の時代手紙を書くことが、ほとんど無くなったから手紙っていいなって実感出来る作品。
「人間を完全にするもの、それこそが愛だ。」