ひろぽん

いぬやしきのひろぽんのレビュー・感想・評価

いぬやしき(2018年製作の映画)
3.0
強い光を浴びた翌日から機械化している事を知った冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎とごく普通の高校生・獅子神皓。犬屋敷は手に入れた強力な力で人々を救おうと奔走する一方、獅子神は力を無慈悲な無差別殺人に使っていく。対極な2人はやがて激しくぶつかり、命をかけた闘いに発展していく物語。


定年を間近に控え、会社にも家庭にも居場所のない冴えないサラリーマンの犬屋敷壱郎。医者から末期ガンで余命僅かと宣告されても家族にも打ち明けられないまま、ただ一人で悲嘆に暮れる日々。そんな時に、謎の事故に巻き込まれ身体が機械化されてしまう。

貧しい母子家庭で育つごく普通の高校生・獅子神皓も同じく身体を機械化され、神になったと豪語して、世間を恨み10代特有のむしゃくしゃした気持ちを晴らすため無表情で殺人に手を染めてしまう。


同じ能力を手に入れても使い方次第で人を救うことも殺すこともできるというのが面白い。機械化された2人は辛い環境にいるという共通点があるのに、人を生かすことに喜びを得た者と、人を殺すことに喜びを得た者という相反する関係になる構図が人間らしくて面白い。

一軒家を買えるだけのお金はあるが家庭にも職場にも居場所のない犬屋敷と、貧しい家庭だが母親に愛されて育つ獅子神。2人の環境は割と現実的で見ているだけでも辛い気持ちになってくる。

獅子神と同じ境遇で力を手に入れたら彼と同じような行動に出そう。


“バン、バン”と言いまくる佐藤健が印象深い。

スピード感もあってVFXによる空中戦のバトルも見ものだが、いかんせん主人公に全く魅力を感じなかったのでイマイチハマりきらなかった。ダークヒーローの様な獅子神を演じる佐藤健の方が主人公感強いんじゃないかと思う。

あんなに空を自由に飛べるのは気持ち良さそうだけど、改造された身体がちょっと不気味だから何とも言えない。

どんな境遇になっても味方になってくれる人がいるってのは幸せなんだなと思う。

気軽に観るには良い作品。
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