ひろぽん

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)のひろぽんのレビュー・感想・評価

4.0
劇場版『名探偵コナン』27作目

北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に、怪盗キッドからの予告状が届く。キッドが狙うのは、幕末を生きた新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀。ビッグジュエルを追い求めるキッドが、なぜ刀を狙うのか?
西の名探偵・服部平次とコナン達も、函館で開催される剣道大会の為に現地を訪れており、平次がキッドの変装を見破り追い詰めていく。時を同じくして、胸に十文字の切り傷がつけられた遺体が函館倉庫街で見つかる。
捜査線上に浮かび上がったのは、「死の商人」と呼ばれ、アジアー帯で武器商人として活動する日系アメリカ人の男だった。戦時中の軍需産業に深く関わっていた斧江家初代当主が、函館のどこかに隠したとされるお宝を巡り、天下分け目のお宝争奪戦を繰り広げていく物語。


今作のメインのお話は、宝の地図になっているという日本刀を巡り争いを繰り広げていく。斧江財閥の初代当主・斧江圭三郎が隠した幕末時の戦況を一変させるほどの兵器を巡り、コナン&平次、キッド、武器商人、斧江家による四つ巴の戦いが繰り広げられていく。

今回は殺人の推理はおまけ程度でお宝の日本刀に隠された謎解き要素が強めな構成になっている。

また、登場するキャラも非常に多く、漫画やアニメ、青山剛昌先生の過去の他作品の懐かしいキャラも登場するのでコアなファン層に向けられて制作された様に感じる。そのため、事前に予習をしていないと誰が誰だか分からずに置いていかれる可能性がある。『YAIBA』に関しては全く知らないが、『まじっく快斗』は原作を持っていたのでテンションがぶち上がるキャラが登場して個人的には楽しめた。アニメも観ていたので、平次とキッドのキスの件も把握していたので良かった。

予告の平次とキッドの剣アクションはクライマックスでド派手にバトルするのかと思っていたが、序盤からやり合っていたのでビックリした。

全編を通して父の意思を子が受け継ぐというテーマが示されており、キッドがビックジュエルではなく日本刀を狙った理由もそこに隠されているためよく構成ができているなと感じた。

今回の舞台は北海道ということで旅行で行ったことのある場所が出てきた時は嬉しかったし、珍しく土方歳三という歴史上の人物を登場させる展開も激アツだったと思う。

窓ガラスをバイクでぶち破ったり、日本刀を振り回したり、セスナの上でバトったり、和葉との告白シーンだったりと、相変わらず無茶苦茶な展開だったけど平次の見せ場が多くとてもカッコよかった。

コナンよりも平次とキッドにしっかりと焦点を当てて進行していた点が良かった。

いつもキッドの手の平に踊らされている中森警部の見せ場があったり、青子が蘭と激似過ぎて一瞬誰か分からなくなったりと楽しめる要素があった。

謎解きは難しく全然分からなかったのが本当に悔しい。

コナンとキッドの関係性の謎が明かされるラストが衝撃的過ぎて全部かっさらっていった。

エンディングのaikoの『相思相愛』が流れるタイミングは神がかっていたし、曲も良すぎて平次と和葉の余韻が残る。

来年は雪山が舞台で長野県警に関するみたいだから楽しみ。近年は安室、赤井、キッド、平次、黒の組織と人気どころが多かったから、マンネリ化せずに期待できそう。
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