ひろぽん

ライアーゲーム 再生のひろぽんのレビュー・感想・評価

ライアーゲーム 再生(2012年製作の映画)
3.7
ドラマ『LIAR GAME』の劇場版2作目

前回のライアーゲームから2年後。元天才詐欺師・秋山の知略により一度は解体したと思われたライアーゲームの運営局の出資者が、秋山に復讐するためにライアーゲームを復活させる。ゲームに招待された女子大生・篠宮優は、大学で教授として心理学を教えている秋山に助けを求める。様々な欲望、復讐、企みが渦巻くライアーゲームに秋山が再び参加して熾烈な頭脳戦を繰り広げていく物語。


原作は全巻漫画を持っていて、ドラマも全部観ているくらい好きな作品。

ヒロインが戸田恵梨香演じる神崎直から多部未華子演じる篠宮優に変わり、本編でも触れられることなく物語が進んでいく。

ライアーゲームは大金が掛かっていることによる人の欲望や心の醜さが全面的に表れる騙し合いのゲーム。「相手を信じる心」を持った神崎直というキャラが唯一無二のバカ正直さで人々の心を動かし、秋山と協力して数多の切れ者たちと頭脳戦を繰り広げていく所がこれまでのストーリーでの魅力だった。

それに対し本作の篠宮は、秋山を簡単に裏切り、助けを求めておきながら不安の衝動に駆られ秋山を信用せず自分で自分を追い詰めていき、自業自得の展開に陥るという点が観ている人をイラつかせ、低評価の原因になっていると思う。

神崎の場合は秋山の亡くなった母にバカ正直な性格が似ているからほっとけなくて助けたのに対し、篠宮の場合はただ授業を受けた事がある程度でほぼ面識がないという希薄な関係性の状態から秋山が全力で助けようとする意味があまり分からなかった。

LIAR GAMEに登場するゲームは基本的には面白いが、「椅子取りゲーム」はその中でも圧倒的な面白さがあって特に好きなゲーム。詳しいルールや設定は原作で綿密に作り込まれているから、頭脳戦は二転三転とどんでん返しを繰り返しながら最高に楽しめた。

挿入歌で流れるCAPSULEの『All The Way』は作品の雰囲気にあっていてめっちゃ好きな曲。

中田ヤスタカが作り出すLIAR GAMEの迫力あるBGMはこの世界観にマッチしていて最高。

ゲーム説明でイメージさせやすいように登場する独特の絵や、それぞれのキャラを際立たせるカット割りがとてもお洒落でいつ観てもカッコ良い。特に秋山のバシッと決まった登場シーンは何回観ても痺れる。松田翔太以外に秋山を演じられる人はいないだろうなと思わせるくらい適役でハマってる。

秋山、桐生、張本と頭のキレる3人の三つ巴の戦いが一番の見どころ。

福永とヨコヤはメインで登場させて欲しかったな。多部未華子と芦田愛菜のキャスティング以外は良かったし、ゲーム自体も面白くて楽しめた。

低評価で前作よりは劣るけど、個人的には好きな作品。
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