らもちー

エターナル・サンシャインのらもちーのネタバレレビュー・内容・結末

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

キラキラした恋愛映画かと思ったら全然違った。記憶の描写、記憶の中で消されないように逃げたり景色が変わっていったり人が消えたりする描写に前観たパプリカを思い出した。相手と別れることになると分かっていても好きになってしまったら抗いようがない&そんな相手との運命すらも受け入れるみたいなラストには、前観たメッセージという映画を思い出した。
ラストでつじつまが合う構成のおかげなのか分からんけど全体的にまとまりがあってよかった。時系列順の構成だったら一方通行な感じがしちゃうけど、冒頭で現在の出会い(実際にはn回目の出会い)のシーンをやって、間に以前の交際を描きラストで現在の出会いの続きを描くことで、一方通行じゃない感じというか、別れと出会いを繰り返す輪みたいな人間の生き方が伝わってくる気がする。
不倫博士&助手のストーリーを差し込むことで、記憶を消すという行いがこの世界では広く一般的であることをより感じさせるし、人は記憶を消しても同じものに惹かれてしまうという考え(?)がより分かりやすくなってる気がする。
彼女の髪色でいつの時期か分かるようになってる。
主人公とヒロインのキャラクターが絶妙で、こういう派手な見た目で衝動的な生き方をする割に孤独でメンヘラ気味な女の人ってこういう男、物静かで口数が少なく優しそうな男を好きになるし逆もまた然りだなと思った。(?)


主人公はその日思いつきで会社をサボり電車に飛び乗りその先でふらっと浜辺を散歩する。そのときとある女性と出会う。


その女性と仲良くなるがあるとき彼女と喧嘩をしてしまったので仲直りすべく彼女の職場に行ったら彼女は自分のことをまるで他人のように扱ってくる(実はここで既に回想に入ってる)。悲しみに暮れる主人公は友人夫婦宅で彼女についての真相を知ることになる。それは、彼女は主人公を無視したのではなく本当に覚えていないということ、ある会社を通して主人公との記憶を全て削除していたということである。その会社では記憶の一部を削除するサービスが提供されている。

失恋の悲しみが癒えない主人公もまた彼女との思い出を消そうとその会社のサービスを受けることに。 記憶を消す過程で主人公は自分にとって彼女との思い出がどれだけまばゆく素敵に溢れていたかを目の当たりにし、記憶を消されまいと夢みたいな精神世界の中で奮闘する。

また同時進行でサービスの会社の女性スタッフと博士の不倫関係が描かれる。女性スタッフは博士に好意を伝えるが、実は以前にも彼女は博士と不倫しており記憶を消していたことがわかる。


主人公の抗いも虚しく彼女との記憶は全て消されてしまう。ここでストーリーは現在に戻る。

サービスの女性は自分が記憶を消してしまったばかりに同じことを繰り返しそうになっていたこと、自分だけが記憶を消しても事実はけして消えないことなど、そんなことを思ってか、サービスを受けたたぶん全ての客にとあるテープを送る。それは記憶を消す前の患者と博士のやり取りが語られているテープである。

このテープは主人公&ヒロインにも届けられ、2人とも以前にも相手と交際していたこと、どのような別れ方をしたのか、相手の嫌な所などを知ることになる。


互いに嫌いになり別れてしまった過去を知った2人は互いにこれ以上距離を縮めるのをやめようとするが、それでもやっぱり交際を始めることにする。(おわり)
次はうまくいくかもしれないしまた同じことを繰り返すかもしれないけどそれは分からない。


別れるときって相手の嫌な部分ばかりが目に付いてしまうものだけど、実はたくさんの素敵な思い出があって、相手のいい所も沢山知ってるんだよなみたいな(?)

主人公が彼女に言った言葉や彼女のために用意したプレゼントを利用して彼女に近づこうとする研究所のスタッフが結局彼女に見破られているの、同じ言葉でも誰が発するかで全く違ったものになるし、心から出てきた言葉じゃないと人は動かされないみたいな感じなのかな。ふーむ。
らもちー

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