がんちゃん

エターナル・サンシャインのがんちゃんのレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
4.5
「エタ-ナル サン シャイ-ン !!」
(セラムンの技名風に)

C・ノーラン監督の『メメント』と『インセプション』を足してそこに「人間性」を加えた傑作恋愛ファンタジー。時間を操った作品に外れなし!そしてノーランをディスっている訳ではない(笑)

失恋した主人公がかつての恋人との記憶を消すため、ヘッドギアを装着して眠りにつくと、幸せだった日々の記憶が色鮮やかに蘇ってくる。記憶の中の彼女はまるでそこに実在しているかのように息をし、話しかけてくるが、次の瞬間にその記憶は消去されてしまう。身を引き裂かれるような喪失感に、主人公も観客も「もう止めてくれ!」と叫ばずにいられない。「生きる」とは記憶の集積であり、記憶の消去は「死」を意味することに気づかされる。

人は「運命」という言葉が好きだ。
「2人の出会いは運命でした」とか根拠もないのによく言うぜ。それこそ『バタフライエフェクト』のように繰り返し同じ人生を歩んでみて「何度やっても同じでした」という結論に達しない限り、それが偶然ではなく「運命」であると証明する方法はないはずなのに。
しかし本作は「記憶除去」という擬似的なタイムループを用いることで「運命って存在するかも…」という淡い期待をいだかせてくれる、と言う意味でとても画期的な作品だと思う。

あなたとあなたの愛する人が、やがて破局を迎えることになると知っていたら?という問いへの回答を提示して本作は終わる。
どんなに愛し合っていてもいつかは終わりがくる。しかし、幸せだった日々は記憶に刻まれ、永遠に色あせることはないのだ。
自分も10年前に交際していたかおりちゃんが今でも夢に出てくる…ピッチピチの20歳の姿で。あざっす!

「自分3次元に興味ないんで」とか言って傷つくのが怖いだけの草食男子や、「私もう時間ないの!」と婚活に焦っているアラサー女子に是非オススメしたい。
がんちゃん

がんちゃん