April01

エターナル・サンシャインのApril01のレビュー・感想・評価

エターナル・サンシャイン(2004年製作の映画)
3.7
1回目、プロットが複雑でダルイ感じがして性に合わないなと途中で断念→ノリのいい映画に切り替えて、それきり忘れる。

2回目、この作品を大好きと言う人がいるから再トライしてみようと何とか最後まで見る、引きずる男目線の作品かな~、という印象。センチメンタルすぎて性に合わないかなと、それきり忘れる。

3回目、今なら時間も体力もある、細かいところに専念してじっくり見てみようと理解に努めてみる、時系列、そういう事か~!と肝心なことに初めて気づく!

今までと違って気持ちに余裕があったのと気合を入れて見たせいか、途中でギラっと突然目が覚めたように感情がグッと引き込まれる。
その場面とは、キルスティン・ダンスト演じるメアリーがハワード博士の気を引こうとニーチェの「善悪の彼岸」から忘却についての言葉と、作品のタイトルにもなっているアレキサンダー・ポープの詩を引用するところ。
ここから一気に流れる一連のエピソード、博士の妻とメアリーを想うマーク・ラファロ演じるスタンを巻き込んで2人の真実が明らかになる過程がとても切ない。

時系列の焦らしがない分ストレートに胸に響くし、メアリーの行動が、この話はループになるのでは?という疑問を封じ込めて、きちんとプロットを畳むカギになる仕掛けになっているのもとても良い。

髪色を変化させて時にはカジュアルなパーカーとジーンズのスタイル、時にはナイスボディなセクシーさを見せつけるキャミソールなどを魅力的に着こなし自由奔放ながらナイーブな感情を併せ持つ女性を演じるケイト・ウィンスレットはさすが!
お得意の顔芸を封印して恋愛感情に翻弄されるどこにでもいるような普通の男性を演じるジム・キャリーもこの役にピッタリとハマっている。
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