FutosiSaito

タレンタイム〜優しい歌のFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)
4.0
 手話まで入れると、実に5種の言語による多様なコミュニケーションが取られているが、違和感がない。
 タミール語、英語、中国語、マレー語、そして英語が、もちろん多様な民族も宗教も出てくる。
 ディズコミュニケーション(コミュニケーションの行き違い)も表現されているが、その逆について描かれているところが、この監督らしい。
 また、それを見せるために「タレンタイム」という学芸会を題材にしたのも巧い。
 最初はもつれていた感情が、音楽をとおしてシンクロしてしていくさまも、可能性もやさしく描く。
 
 映画とは、知らなかったことを「見て」知るメディアでもある。マレーシアという国のこと、このような多民族国家のことを知り、考えることもできた。
 このような監督を失ったことは、残念だ。が、作品はこうして残る。
FutosiSaito

FutosiSaito