ぐりこ

LIVE FOREVER リヴ・フォーエヴァーのぐりこのレビュー・感想・評価

3.8
タイトルから勝手にオアシスのドキュメンタリーだと思ってたけど、違った。実際のところはブリットポップ・ムーブメントのドキュメンタリー
、特にサッチャー政権末期の大不況、暴力・ドラッグの蔓延といった状況からの脱却とブリットポップの隆盛を重ねて、英国の音楽的復権に焦点を当てた記録映画だった。

思てたんとちゃう。
…が、とてもおもしろい、というか興味深かった。
「『As It Was』公開前にオアシス映画みとこう!」という気持ちで借りてきたのだけど、結果的には最近受講した英国近代音楽史(注)の補講になった。
(注)最近『24h Party People』『Upside Down』『白い暴動』『Control』『Joy Division』『Let's Rock Again』を勝手に観ただけ。


この作品は、ブリットポップ・ムーブメントにおいて重要な役割を果たした3つのバンドの曲と出身都市の風景で幕を開ける。
Pulp/This Is Hardcoreに乗せてシェフィールド、Blur/The Debt Collectorに乗せてコルチェスター、Oasis/Rock 'n' Roll Starに乗せてマンチェスター。もう最高。

本編は時系列に沿って、楽曲とインタビューと時代背景を交差させて進む。
・1990年5月、The Stone RosesのSpike Islandでの伝説の野外ライブ
・政権交代直後はブリットポップ前夜
・The Stone Rosesの沈黙とグランジの流行 Nirvana
・USロックへのカウンターとなるUKバンド
Suede、Pulp、Denim、The Auteurs、Saint Etienne
・1994年4月、カートの自殺とBlur『Parklife』のリリース
 同8月、Oasisが『Definitely Maybe』でデビュー
・ブリットポップ全盛期、当時のデーモンやリアムのインタビューがおもしろい。若い。
・1995年8月、Oasis vs Blurのチャート争いは、Blurが勝利。
・1996年10月、OasisのKnebworthでのライブはローゼズのSpike Islandが念頭にあった。
・映画『トレインスポッティング』
・ブレアの選挙活動に積極的に参加するノエル、Sleeperのルイーズのように幻滅し離れる者…
・BlurデーモンやPulpジャービスのインタビュー
・ドラッグとの関係
・Oasis『Be Here Now』とブリットポップの終焉

・・・これでもかなり端折った。実際の映画では、さらに多くのインタビューとナレーションによって、さらに多くのことが語られる。内容が濃すぎる。

とにかく間違いなく言えることは、この時代を生きてみたかったということ(いや、生まれてはいたけども)、そしてUKに行きたい!(こればっかり言ってる) #fuckcorona



作中に流れた曲をメモしていたので、下記に羅列。
一節ずつだとしてもこれだけの楽曲が流れる映画、最高でしょう?

♪Oasis/Rock 'n' Roll Star、Live Forever、Same Might Say、Wonderwall、Champagne Supernova
♪Blur/The Debt Collector、Girls & Boys、Country House、Song2、Beetlebum
♪Pulp/This Is Hardcore、Party Hard、Mis-Shapes、Common People、Glory Days、The Fear
♪The Stone Rose/Waterfall
♪Massive Attack/Blue Lines、Protection
♪Nirvana/Smells Like Teen's Spirit
♪Suede/Animal Nitrate
♪The Verve/Bitter Sweet Symphony
♪Quincy Jones/Soul Bossa Nova(オースティンパワーズOP)
♪Supergrass/Alright
♪Elastica/Waking Up
♪Sleeper/Inbetweener、Atomic
♪Radiohead/Street Spirit、No Surprises
♪Underworld/Born Slippy
♪Portice Head/Dummy
♪Robbie Williams/Angels
♪S Club 7/Reach
ぐりこ

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