しょう

名探偵コナン 戦慄の楽譜(フルスコア)のしょうのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

約15年ぶり2度目の鑑賞。

中盤に差し掛かったあたりで、犯人やこのあとの流れを思い出したが、最後まで楽しむことができた。

この映画で一番印象的なのは、やはりクライマックス手前の電話をかけるシーンだろう。
起死回生の一手にも関わらず、クライマックスではないため、割と淡々と描かれており、そのことがかえって印象を強くさせている。

個人的に、他のコナン映画と違うのは、最後が盛り上がりきって終わるところではないところだろうか。犯人の説得で終わるのは、純情派の刑事ドラマを彷彿とさせる。
あと、蘭だけが危機にさらされているシーンもなく、これも今となっては珍しいと思われる。

一番かっこいいシーンは、佐藤刑事のSHOOTへの流れだろう。哀ちゃんのリコーダーからのテンポ感が非常によく、引き込まれた。全盛期のおっちゃんに並ぶ、佐藤刑事の腕前には恐れ入った。

あと、この話を見ていてちょっとした気づきがあった。
推理モノの犯人を見たとき、自分は犯人に対して「共感できる」「理解はできるが、共感はできない」「共感はもちろん、理解もできない(というか、したくない)」の3つに、無意識に大別しているようである。
今回の犯人は、一瞬理解はできるかもと思ったが、観客を平然と巻き込もうとしていたところで、完全に最後の選択肢に振り切れてしまった。
でも、自分がまだ30年も生きていないから、感じるとこができない感情もあるように思う。

本編と関係ないところでは、タイトルの音感が好きである。「戦慄」と「旋律」もかかっているのかなあ。

評価としては、さすがに犯人に共感できない、推理が「絶対音感」の一点押しだったことから、コナンをあくまで「推理モノ」として見ている自分としては、他のコナン映画より少し低めにつけている。
ただ、題材も面白く、ポイントポイントで、楽しめる要素があったところは良かったと思う。
しょう

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