emily

転々のemilyのレビュー・感想・評価

転々(2007年製作の映画)
4.6
借金80万以上の大学8年生の文哉は取立屋の福原から返済方法を提案される。それは霞ヶ関を目指して東京を一緒に散歩するというものだった。

展開の読めないユーモアとくだらないことを全力で方向性を歪める天才的なセンス。今作は三木さんのアク度は低めでかなりセンスよく綺麗にユーモアが転んで行ってる感じ。脇人の会話の流れも最高にセンスよく、見終わった後のほんのり幸せになる感じ、何気ない日常に幸せってあるんだなぁ。って改めて思い出させてくれる。

借金の取立屋と大学生が転々としていくなかで、お互いの過去や自分を見つめ直していく距離感。また擬似家族によるたわいもない会話やカレーも食べる瞬間の心地よさ。
誰かがそばにいる。それだけで毎日は輝くし、何気ないカレーだって、一緒に食べる人がいればそれだけで美味しくなる。

たまには転々と散歩して毎日何気なくみてる川や景色を眺めてみると、あれこんなに綺麗だったんだぁ〜なんて気がつくかも。

わらって少し泣いて、切なくて、人生を愛おしく思える、わたしにとってとっても大事なことを感じさせてくれる映画。
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