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スペース・サタンのslowのレビュー・感想・評価

スペース・サタン(1980年製作の映画)
3.4
「誰も悪くない…
 "皆"もだ…。」
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{あらすじ}
土星施設に訪れた謎の男に
持ちこまれたロボットが
一人の女性を恋人から
奪おうとする話。

『アップサイドダウン』の
【上下通路】があり、
『マトリックス』の【首接続】等
この時代で再現してたのはすごい…‼

内容は『エイリアン』から
【気持ち悪さとスリル】を
抜き取って、
リプリーに【エロ可愛さ】を
ちょい足した感じ。

監督は『雨に唄えば』で
有名な方でミュージカル映画
が得意な監督なのもあってか
序盤と最後はとくに
カメラワークのセンスがよく
人物配置の綺麗すぎる
シンメトリーや
爆破をスローモーションで撮り
破片がバレエのように舞う
神々しい美しさなど
目を見張る映像美と
カッコ良さがある‼

残念なのは脚本だ…。
ドラマは薄くロボットとの攻防も
グダグダでイマイチ盛り上がらない。
対抗手段もガキんちょの発想で
ドリフのコントのよう…。

だがこれがBlu-ray化までに
至る理由は【美術】だ。
俳優よりも後ろの"背景"が
主役といっていい。

低予算でもミニチュアを
フルに使っており、
【実物】の前ではCGの必要性は
ないとすら感じる。
"ミニチュア愛"があれば楽しめる一本♪

なかでもロボデザインは
ジェームズ・キャメロン監督が
『ターミネーター』のデザインの
参考にしたらしく
異形の姿をしたロボットが
動く様は高得点!

ただ古い時代なので動きが
ヨタヨタ歩きで怖さは
微塵も感じられないが…
「筋肉ムキムキのC-3POが
襲ってくる!」
というイメージで見れば怖い…!

しかしとても悲しいのは、
これが第一回のラズベリー賞に
ノミネートされた事実だ…。

インタビューを観る限り、
主演のカーク・ダグラスは
危険なシーンも
やりたがってたようだし、
特撮スタッフの気合いを
感じる本作に対して
作品最低賞と最低主演男(女)優賞を
与えようとするなんて酷すぎる…。

けどもこれが未だにカルトな
人気を博してるのは
ラズベリー賞ノミネートする
基準が間違ってる何よりの証だろう。

中盤は確かにつまらないけど、
冒頭のシーンはめちゃくちゃ
カッコイイので
冒頭だけはこれから何度も
見ようと思うッ♪

…のでヽ(・∀・)ノ
2017slowベストに仲間入りです♪
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