【“ジブリのまねごと”なんて、もう二度と言わせない。】
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過去にジブリ映画を意識した『星を追う子ども』という作品はあったが、あちらは“ジブリ映画らしさ”に縛られ、新海誠作品らしさがあまり感じられなかった。
「新海誠といえど、ジブリ映画のまねごとレベルが限界なんだな」
それが当時みた率直な感想だった。
しかし、今作はちがう( ﾟдﾟ)
本作もジブリ映画っぽいスタートや要素、シーンは沢山見受けられながらも、それらはあくまで記号やアイテムとして使う程度におさめてるのに対してジブリ映画では見られない“呼吸”さえ感じる生きた背景と画作り、新海節が効いた詩的な言い回し、等身大の会話劇、鮮度の高いアニメーションは新海誠作品らしさが炸裂している。
“ジブリのまねごと”どまりだった新海誠がジブリ映画の全盛期に肩を並べても遜色ない逸品を生み出した。
新海誠の実力はついにここまできたかと感嘆せざるをえない。
また本作は「ロードムービー色」が強い。
各地を転々として各地で一期一会の出会い、各地の災いを防ぐイベントなど、現代を舞台にしておきながらアドベンチャー要素もあってワクワクする。
それだけでもエンタメとして良く出来てるが、個人的に今作でいいなと思えたのは“後半”だ。
主人公サイドに観客が飽きてきたのを察してか、後半から突然、意外な人物２名が乱入する。
この２人の関係性がとても奇妙なもので、彼らの存在が物語の流れに刺激と新鮮味を乗せて飽きさせない。
さらに終盤で明かされる真相で心を掴まれ、冒頭の伏線を見事に回収し、クライマックスも映画らしい見応えがあるなど、言うことなしの122分になっている。
強いて不満を挙げるなら『君の名は。』ほどの衝撃展開が無かった事、ラブコメ要素が大人しかった点だが、それは『君の名は。』と違う方向性である本作に『君の名は。』要素を求めたこちらが悪いだけ。
ただ褒めちぎるのも気持ち悪いので、個人的に感じたマイナスポイントは二つ。
・災いをもたらすネコが「可哀想だな」と思ったこと。
・そして本作最大の不満は男の髪型だ。
その穏やかな性格と澄ました顔にロン毛は似合わないヨ！(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
しかも、
なぜ父親もセットでロン毛なのΣ('◉⌓◉’)…
もし、イケメンくんが椅子に変わらず、ずっとあのダサい髪のままだったら評価は３点くらい下がってたと思う。
椅子に変えてくれたネコに感謝。
