竜平

レッド・ブロンクスの竜平のレビュー・感想・評価

レッド・ブロンクス(1995年製作の映画)
3.8
アメリカ、ブロンクスにやってくる香港の刑事が暴走族とのいざこざやギャングの闇取引に巻き込まれいく。やがて炸裂する正義の制裁、という話。

これまた少年時代にめちゃくちゃ見まくった、いやもう本当に何度見たかわからないくらい見たわってな作品。今作にもまたアクションが満載。カンフーによる多人数を相手にするバトルシーンもそうだし、ビルからビルへ飛び移るなどの危険極まりないスタントというのもバッチリ。舐めてかかってくるチンピラを一網打尽にする様とか最高にスッキリするよねーなんて。舞台となるのが治安のべらぼうに悪い街。ブロンクスってガチでこんくらい危ない街なのかな、だとしたら怖すぎ。展開としては「ちょっとやりすぎじゃね」ってなシリアスな部分もしばしば、これは少年時代見てて結構つらかった記憶。ただその中にもしっかりあるコミカルな場面、とくに『ミラクル』や『酔拳2』にも出演していた故アニタ・ムイによるコメディパートは存分に活きてたりする。不良グループの一人で今作のヒロイン的な立ち位置を演じるフランソワーズ・イップ、この人この時めちゃ美人。

単なる族との喧嘩騒動から、徐々にダイヤモンドやら残忍なギャングやらが介入してくるストーリーの流れ、そのスケールの振り幅、結構大胆な展開なんかも今見るとおもしろい。終盤のホバークラフト大暴走、からのラストで完全に笑う。いろいろ投げっぱなしだし、最後の最後だけ展開がめちゃくちゃ足早ってゆー、いやしかしこの感じもジャッキー印の映画っぽいというか。いやこれでいいのよ、そんな全部描き切らなくても、これぞ悪ってなやつらを成敗してこっちの気持ちも晴らしてくれればもうそれでいいのよ。

後で調べて知ったこととして、ジャッキーは今作をキッカケにハリウッドでも有名になったんだとか。これほどまでにキレッキレの身のこなしで、そんでアクションのみならず演技の部分でもしっかりコミカル路線を入れてくる、こんな俳優は間違いなくいなかったよなと。ジャッキー・チェンの、世界の大スターとしてのレジェンドはここから始まったと言っても過言ではないと思う。
竜平

竜平