ベべべっち

私たちの幸せな時間のベべべっちのレビュー・感想・評価

私たちの幸せな時間(2006年製作の映画)
4.2
修道女のユン・ヨジョン

早く死にたい死刑囚と、早く死にたい元歌手による切ないドラマ。
カン・ドンウォンの哀愁漂う切ない演技が沁みた。

何度も自殺未遂を繰り返す元歌手の女。
そんな彼女を見かねた修道女の叔母が、リハビリも兼ねて死刑囚との面会という奉仕活動に同行させる。
(毎週木曜日の10時から13時)
渋々、面会に行くが、自分と同じように早く死にたがっている姿や似たような雰囲気を持つ死刑囚に出会いどこか惹かれていく…

まず、ジャケとタイトルから連想していたストーリーと違いすぎてびっくりした。
もっと、シンプルなラブストーリー的なものだと思っていたのに、まさかの死刑囚設定。

さらにもっとびっくりしたのが今作での執行のやり方。
自分が詳しくないだけかもだけど、他の映画とかでは予め当人にも執行日が知らせられてて、その日は多少の融通が効いたり、最後の食事は好きな物を食べれたり…みたいなイメージ。
でも、今作では寸前まで本人に知らされることなく、急に連れて行かれてそのまま死刑執行。
中盤で刑を執行された名前もよく知らない一瞬だけの登場人物にすら、感情移入してしまうぐらいの衝撃。
それにびっくりし過ぎて、内容も少しぶっ飛んだ。

そのぶっ飛んだ内容については、最悪な出会いをした二人の距離が近づいていく過程がとにかく観ていて微笑ましい。
特に死刑囚役のカン・ドンウォンが何故、そうなってしまったかという回想のくだりが印象的だった。

クライマックスでは、身体の奥底に消えてしまったかもしれない、壊れかけの涙腺が少しだけピクっと反応したような気がした。

P.S. 今作のオ・ジョンセ
主人公と同房の囚人