Ryu

戦場のメリークリスマスのRyuのレビュー・感想・評価

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)
3.6
1942年、ジャワ島レバクセンバタの日本軍俘虜収容所。粗暴な軍曹 ハラと日本語を話せる俘虜の英国陸軍中佐 ロレンスは敵同士でありながら、奇妙な友情を築き上げていく。一方、陸軍大尉 ヨノイは日本軍を襲撃し、俘虜になった英国陸軍少佐のセリアズの身柄を預かることとなり、心惹かれていくようになる。

坂本龍一が亡くなってから1年になります。今作では出演と音楽を担当しており、映画と同名のテーマ曲が非常に有名ですね。自分も今作を観るまでに何度もテーマ曲を耳にしており、その尋常ではない美しい音楽に心震えた記憶があります。
美しいのは映画の中身もです。正直、理解はあんまりできなかったのですが、それでも本能が美しいと感じてしまうくらいでした。
ヨノイ大尉とセリアズ、ハラ軍曹とロレンス。第二次世界大戦を背景に、この2組の奇妙な関係が描かれています。それぞれ、ただの敵ではないと思ってはいると思いますが、具体的にどういう感情を抱いているのかがあんまりわからなかったです。戦争という時代もあって、日本人とイギリス人には思想をはじめ、色々な違いがあると思います。さらには敵同士。そんな、普通は本能が突き放そうとする相手に感じる何か。この“何か”ってのが中々難しいですね。ヨノイもセリアズに対して、わかりやすい恋心を抱いているわけでもないし、いや〜、難解です(笑)。
こんなにも理解が追いつかなかったのに、こんなにも美しいと思わせられる。デヴィッド・ボウイが坂本龍一にキスするシーン、ラストのビートたけしのセリフと笑顔など印象的なシーン、そして坂本龍一による音楽、色んな要因が重なって、ここまでの作品に仕上がったのだと思いました。
Ryu

Ryu