クリムゾンキング

人生は四十二からのクリムゾンキングのネタバレレビュー・内容・結末

人生は四十二から(1935年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ポーカーの賭けで負けちまったから、お前明日からアメリカ行ってくれや」と突然の暇を出された由緒正しい(?)執事のラグルスは自由人エグバードと上流気取りのエフィ夫婦に連れられてアメリカへ。
そこではちょっとした誤解から「大佐」とあだ名され階級社会で暮らしていた彼には全てが新鮮、そして自分の人生を見つめ直していく。

前半は機械人間ともいうべきラグルスの所作がだんだんと人間味を帯びていくところがいい。

下品で野蛮なメリケン人、という表現から一変、後半では誰しも平等という転換でイギリスとアメリカの社会の在り方を対比させる。

まあ信仰云々とかと一緒にそういう窮屈なところが嫌でイギリスから出て行ったわけで、夫婦間の思想の違いが既にそれ。
エグバードは権威や格式なんて糞食らえで友だちと楽しく飲めや歌えやができればよし。
かたやエフィはとにかく階級主義。晩餐会や来場者に著名人や良家の客人がくれば鼻息荒くしてこれでもかと見栄を張る。
ラグルスの元主人の歓迎会と並行してパーティのシーンが描かれるところが顕著。

ラストはしっかり自分を見据えレストランを始めて新しいスタート。
「執事のくせに上流の真似事して生意気だ!」と言わんばかりに嫌がらせをしてきた(言うてコイツも成り上がり者)義弟をレストランから叩き出して一件落着。

彼の身分が周囲のバレるかどうかなんて気にならない暖かい終わり方でこちらも顔が綻んでしまうハッピーエンドで面白い作品だった。

原題「レッドキャップのラグルス」
邦題これでいいん?て感じだけど確かにこれもありかも。

だけど42歳なんてどこにも言ってねーじゃんかよwww