baby

ペパーミント・キャンディーのbabyのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

正直、一番初めの方はおじさんが
クズで狂ってて本当に理解し難くて
なんだこの人って思った。
初恋の人とか嘘だろって思ったし
会いに行った時も胡散臭いと
思ってしまった。

列車と共に一つ一つ時が遡り
次第に時代背景も見えてくる。
中盤ぐらいに差し掛かると、
どんどんと事実がわかってきて
胸が苦しくなってくる。
心優しい男が、圧力的な時代によって、
自分の弱さも重なって
自分自身が圧力的な人間に変わっていく。

時代って、簡単に人を制圧して
狂わせて、何事もなかったように
変わっていくけど、
時代だけの理由にできないのが辛い。
もちろんこんな人生を進んで
いったものなら私はもっと弱いから
死んでいたかもしれない。
だから、こんなこと簡単には言えないけど
自分の心の弱さと変な心の強さ。
これも原因の一つになってしまうのが
辛い。

男の遡る時を見るにつれ
可哀想じゃ片付けられない
辛さが垣間見えて最後のピクニックでは
心が苦しくなった。

ペパーミントキャンディーを一つ一つ
貯めていくごとに、スニムへの想いも
蓄積されていくかのようだった。
ガラス瓶に入った
ペパーミントキャンディーは分厚い
蓋でしっかりと閉じられていて
自分の気持ちも長年蓋をしてきて
片隅にあったんだろうな、、。

最後の涙はどこか変わっていってしまう
自分がわかっていて自分が
見えているかのように。
この初恋が惜しいものになると
わかっていくような涙にも見えた。

でも、それでも
きっと人生は美しいものだと。
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