Ryu

小説家を見つけたらのRyuのレビュー・感想・評価

小説家を見つけたら(2000年製作の映画)
3.8
バスケットボール選手を目指す16歳の黒人少年 ジャマール・ウォレスは隠れた文才も持ち合わせていた。彼はひょんなことから、処女小説でピュリツァー賞に輝くも、その1冊だけで姿を消したウィリアム・フォレスターと知り合う。

老人の若者の友情ものはハズレなしですね。堅物じいさんの心が溶けていく様、若者が成長していく様は見ていて、ホントに気持ちが良いし、育まれていく友情には心が温かくなります。
バスケも小説も才能があるジャマール。何の才も持ち合わせていない人間からしたら、羨ましいですが、その人にはその人なりの悩みや葛藤がある。どちらかの道を選ばないといけないのか、そっちで良い結果が出なかったらどうしよう。16歳の少年には贅沢ではありますが、深刻な悩みです。さらに彼を陥れようとしてくる汚い大人までいる。そんな大変な時に導いてくれる人に出会える。ティーンの時にこうした導いてくれる大人がいるか否かって、その後の人生が変わると言っても過言ではないくらいだと思います。
教えを乞うだけではなく、ジャマールもフォレスターをスタジアムに連れて行ってあげたりします。人生の冬を過ごしている老人にとってこのような出会いは、人生の終期ということもあって、より強い感情を抱くんだと思います。
師弟関係でもあるけど、2人は正真正銘の“友達”であったと思います。
やはり、年齢差のある友情ものは、心が溶けていくような間違いのない魅力があると思います。
Ryu

Ryu