とんちゃん

痴人の愛のとんちゃんのレビュー・感想・評価

痴人の愛(1934年製作の映画)
3.7
ロッドスチュワートの女版ことキムカーンズの最大ヒット曲「Bette Davis Eyes 」(ベティ・デイヴィスの瞳)を聴き、ベティデイヴィスを観ようと。
過去に彼女の出演作品を観たのはアガサクリスティの「ナイル殺人事件」のみ。今回は若い頃のベティデイヴィスがいいかなと「痴人の愛」をチョイス。
サマセットモーム原作をジョンクロムウェルが映画化

ハワードレスリー演じるフィリップがウェイトレスをしている娘ミルドレッド(ベティデイヴィス)に一目惚れする所から始まるラブストーリー、いえそんな甘い内容ではありません、これは愛憎劇です。フィリップが優し過ぎる事をいい事に自由勝手気ままな行動を取るミルドレッド。もちろんこんな女性には友人は居なく困った時にだけフィリップを頼る。
「やれやれ」と言った表情も心の中で喜ぶフィリップ。
しかし彼女は型にハマらない醜悪女。
後半はもはや恋愛ものではなくバトル。

いやあベティデイヴィスが演じるミルドレッドが悪女、毒婦、性悪女過ぎ
見ているこっちが吐き気を催す、おっと失礼💦
それでもこの悪女ぶりが絶賛されヒット。それまで泣かず飛ばずだったベティデイヴィスがブレイクし、一気にスターダムに駆け上がる当たり役になったのだから面白い。
この作品、30年後にキムノヴァク主演でリメイクされています。キムノヴァク悪女版も気になります。

邦画に同じタイトルが有ったので日本版リメイクなのかとチェックするもこちらは谷崎潤一郎の「痴人の愛」を映像化。
谷崎潤一郎がサマセットモームの著作名からパクったのかと思いましたが、モームの原題は of Human Bandage「人間の絆」ですので違いますね。
登場人物の描写が似ているので配給会社が谷崎潤一郎に断りも無く、勝手に付けられたもの。そんな事するからややこしい。
ちなみキムノヴァクのリメイク版は「人間の絆」になってます。

今回「ベティ・デイヴィスの瞳」目的でしたがレスリーハワードの仔犬の様な優しい眼差しが気になった。🐶
「レスリーハワードの瞳」…