とんちゃん

エセルとアーネスト ふたりの物語のとんちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
「スノーマン」の作者として人気の絵本作家レイモンドブリッグスの「エセルとアーネスト」をアニメ化。
レイモンドの両親であるエセルとアーネストの出会いから晩年までの41年間の回想録を優しいタッチで描く。

「それはごく普通の夫婦で普通の人生」

1928年ロンドン、アーネストブリッグスは通勤途中、お屋敷で働くメイドを見かけては挨拶するのが毎日の楽しみであった。
メイドのエセルはいつも決まった時間に通り過ぎ行く男性に挨拶をするのが楽しみであった。

とうとうアーネストは我慢出来ず、仕事中のエセルにデートを申し込む。
そしてアーネストはプロポーズし二人は結婚。
アーネストが28歳、エセルは33歳だった。
二人は基本的に静かで優しい人間なのだけど、良い面ばかりでは無い。
姉さん女房のエセルはたまに不満を漏らしたり嫌味を言ったりする。保守党支持でチャーチルがお気に入り。
アーネストはケチで自分の階級以上に対し羨んだりする。労働党支持で上流階級のチャーチルを嫌う。
こんな二人でも喧嘩はしなく仲が良い。
どちらかが機嫌を損ねると、どちらかが直そうとする感じ。

結婚から3年後に待望の子供が出来、エセルアーネストは全ての愛情を子供に注ぐ様になる。幸せ絶頂ですね
しかし、平和なロンドンもやがて戦争の影が覆い尽くそうとしていく…

この時代のロンドンを映画やドラマで目にするけど、当時の労働階級の生活状況など具体的に描写されているのはこの作品が初めてかも。派手さは無いけど
これもまた、この世界の片隅ですね。

この作品を気に入ったポールマッカートニーが楽曲を提供、エンディングに流れます。