先日観た「獣道」の内田英治監督脚本。
コメディ場面は殆ど無しのガチヒューマンドラマ。
草彅剛が演じる凪沙(ナギサ)はトランスジェンダーの性同一性障害。夜はショーパブで働き、来たる性転換術の為にホルモン注射を打ち続けている。
そんなある日、実家の母親からの依頼でネグレクト親の被害を受けている親戚の子を一時期だけ預かる事に
その子の名前は一果(イチカ)
一果はバレエに興味を持ち内緒でバレエ教室に通う。
そして親友リンとの出会う
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凪沙が働く店のショーで4人(草彅剛、田中俊介、吉村界人、真田怜臣)が手を繋いで登場するシーンがあるのだけど、これがトロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団の様に楽しそう見える
もう少し見たい。
瑞貴役の田中俊介が色っぽく美人ですね
アキナ役の真田怜臣、初めて見たけどこれまた美人
と思ったら彼女は唯一本物のトランスジェンダーでした。
一果役を演じる服部樹咲(はっとりみさき)が大人びいていたので高校生以上が中学生を演じていたと思ってましたが現役中学生の13歳。年齢の割に落ち着いて見えた。また背も大きい。
始め母親役の水川あさみより背が低い感じでしたが卒業式シーンでは抜いてましたね〜。ダンス講師の真飛先生が一果を見る目線の位置が後半変わりましたね。
なんでも映画の撮影中だけで身長が5cmも伸びたらしい。凄いな成長期
まあ背の事はどうでもいいかな
彼女の一番の魅力はバレエでの演技。
スラリと伸びた手や足、その一つ一つの挙動が繊細で甘美というか魅せてくれる。ずっと見ていられる。
海と空が一体となっている浜辺で白い服を着た一果が踊るシーンがある
テンポの良いピアノをバックに踊り続ける一果。
マイケルナイマンのピアノで踊るアンナパキンと重なる。
渋谷慶一郎のピアノもなかなか
毒親水川あさみとモンスターペアレント佐藤江梨子の対決(そんなの無いけど)
毒親の勝ち
ネタバレ
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殆どが無表情か厳しく険しい表情の凪沙
真飛先生に「お母さん」と間違われた時が唯一嬉しそうな表情を見せてくれた。ここから凪沙が変わっていく。
身体はまだ男でも心には母性本能が宿ったのかも知れない。
また凪沙慣れて急に草彅剛が現れた時は違和感でしかなかった。
それだけ凪沙役がハマった感じ
始め二人は反発し合うも
一果のバレエを見た凪沙の心情が揺らぐ
それぞれが抱えている悩みに同情心から親しみを感じ距離が縮まっていく。
一果のために命を削る凪沙は見ていられなかった。
悲愴でしかなかった。
ラスト
短期間で大事な人が二人も失った一果は自ら命を断つべく真っ直ぐ海へ進んで行くよね。
場面はいきなりニューヨークへ変わり、YAGPのファイナルに出場。
白鳥の湖からオデットのヴァリアシオンを披露したところで終了。
原作でのラストの違い
(原作ネタバレ)
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真っ直ぐ海へ進み、一旦立ち止まって振り返ると海の上で一羽の白鳥が羽ばたいていた。
ここで終了
白鳥は凪沙が見た幻と同じものか
天に召された凪沙の化身だったかは言及されておらず。
もし再現するとなれば海上でCG合成か模型を使うなど製作費がかかりそうだけど、そのエンディングを映像で見てみたかった。