KenichiAkagawa

TIME/タイムのKenichiAkagawaのレビュー・感想・評価

TIME/タイム(2011年製作の映画)
4.1
 寿命を管理できるようになった近未来。通貨はお金ではなく時間。そんな世界でスラム街に生活する主人公ウィルは、自殺願望のある富豪と出会う。そこからウィルの運命が変わり始める・・・

 上映のリクエストがあり、久々に見ました!これ、やっぱり面白いですよね。まず、世界観っていうか設定が面白い。25歳で成長が止まり、そこから1年の余命が均等に与えられる。お金の代わりに時間をやりとりするって、まさに「時は金なり」の世界です。前半、スラム街で暮らす主人公たちの生活が展開しますが、まさに今日を生きるために稼ぐ って感じ。時間が貴重なため、急ぐ、走る。対して、富裕層が暮らす世界では、走らない!急がない! そして、盗むものは時間だし、ギャンブルは掛け金が時間なので、まさに命がけ!そんな二極化した世界です。そこには警察ならぬタイムキーパーが存在して、取り締まってます。

 今回見直して、やっぱり気になるのは主人公の父親。話の中でしか語られませんが、どういった人物で過去に何があったのか非常に気になる。更に、主人公を追うタイムキーパー。主人公の父を知ってる感じで、これまた気になる。というエッセンスを加えつつ、主人公が一部の人間が時間を搾取している背景に迫る展開はなかなか面白いです。そして、その日暮らしの貧困層と、死ねない富裕層の憂鬱、永遠の命や時間の大切さなど、考えさせてくれる作品です。
 途中、逃走劇やカーアクションとかもあり、映画慣れしてない人でも飽きずに最後まで見れるかと思うので結構おすすめです!!

ちなみに・・・
同監督作品に「ガタカ」という映画がありますが、個人的にはかなり好きな作品です。どちらもスタイリッシュな近未来を舞台にしていて、更に裸で海を泳ぐシーンを盛り込むなど「ガタカ」好きには、あぁ~ って思う部分 あるかと思います。ただ「TIME」は「ガタカ」より大衆向けな印象なので見やすいです。「ガタカ」はメッセージ性が強く、幾分暗い雰囲気が漂う作品ですが、じわじわ感動がくる感じなので、気が向いたらどうぞ!
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