広島カップ

ベスト・キッドの広島カップのレビュー・感想・評価

ベスト・キッド(2010年製作の映画)
2.6
舞台を米国から中国に移した『ベスト・キッド』(1984)のリメイク作品。

まずカンフーと空手と何処がどう違うの?と思う。
原題は"KARATE.KID"なのに本作のジャッキーがやってるのはカンフーじゃないの?
もしかして実は同じものなのか?と一瞬我が心の中の常識を疑ってしまいましたが調べてみるとやはり別物。
原題は日本人と中国人の区別のつきにくい西洋人にありがちなエラーなのでしょうか。
ジャッキー自身が「僕がやってるのはカンフーなんだよ」と訂正してあげたらよかったのにと思います。

心に引っ掛かった些末なシーンを二つばかり挙げてみると、一つがジャッキー師匠の登場シーン。
師匠の周りを飛んでるハエ。右手に箸を持つ師匠。
やはりああなるかな?と見守っていると、ハエ叩きでバシン!
オリジナルと違う展開に「おおっこれは...」となる。
「本作はオリジナルと違うアルね」と製作者が宣言していたように見えました。
「本作はカンフーだからねミヤモトムサシ、関係ないアルね」という製作者の声が聞こえて来る。

でもよく考えると宮本武蔵は空手ともカンフーとも縁もゆかりも無い人物。
これはオリジナルから続く西洋人の東洋文化に対する認識不足から来たものなのかもしれません。
まあ空手やっている人が箸で飛んでいるハエを捕まえても構いませんけれど...少なくともオリジナルは師匠が日系なのであまり不自然な感じはありませんでしたけれど。

もう一つがカンフーの大会前にジャッキー師匠から試合着を贈られた少年が思わず「わぁ、ブルース・リーみたいだぁ」と言うシーン。
普通そこは気を遣って「ジャッキー・チェンみたいだぁ」でしょ!
終始枯れた雰囲気だったジャッキー師匠の「ま、いっか」みたいな表情がとても良かった。
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