広島カップ

東京原発の広島カップのレビュー・感想・評価

東京原発(2002年製作の映画)
4.0
我が国の原発政策が開始された時からずっと「トイレの無いマンション」と言われている原子力発電所には現在になっても未だにトイレは無く、住人は仕方なく隣の家に行ってやったり箪笥や冷蔵庫や押し入れの中にソレをしまっている始末。
とにかく日本政府は家じゅうのソレを隠せる場所に、ソレが居間や寝室に溢れて来る寸前まで隠して行くつもりのようだ。もはや少し漏れているし家の中には臭いが充満しているのに。
ちなみに「トイレの無いマンション」という言い方は少し違うと思う。私がトイレに流すソレは流された後には分解されエコサイクルの循環に乗るが、本物のソレは決して分解されたりしない。仮にトイレがあっても半永久的にこの地球からは消えないのだから。

役所広司演じる東京都知事が独断で東京に原発を建てようとして都庁の会議室に局長達六人を集める。
そこに怪しい原子力の専門家(綾田俊樹)が来て講釈を垂れる。いかに原発が愚かなものであるかという、これまで世間で散々されて来た真っ当な話を何も知らない都知事と局長達を前にする。
それでも都としては経済性を優先して都心に原発を誘致する方向で進んで行くので呆れて観ていたら、実はこれが良く練られた素晴らしいプランであったのだ。こうゆう事なら私も東京に原発を誘致するのには賛成です。
小池都知事...任期があと少しですけど政治生命をかけてぶち上げてみたらどうですか?

「時が経てば人々は忘れてしまうよ」とは局長の中の一人のセリフ。
確かにそれはその通りで原発関係者は福島の原発事故の記憶が薄れて来ているようで、最近では柏崎刈谷原発の再稼働を目指す動きが活発になって来ている。今年、能登半島であんなに大きな地震があったばかりだというのに懲りない人達がいて本当に困ってしまう。
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