ミヒャエル・ハネケ監督作品。不吉な事件が連続する村を描いたドラマ。
これまた難解。最後に戦争が強調されているあたり、このあとに起きる世界大戦の土壌が既に存在していたということを描きたかったのかなとは薄々気付いたけども、安定の説明しなさすぎで難しすぎた。
町山さんの解説を聞いて腑に落ちた。ドイツでは当たり前の知識とされているシュレーバーという学者の教育理論が下敷きになっている物語であるというのと、権威による抑圧、悪いことに対して自分は悪であると認めさせて罰する教育が子どもたちを本当の悪へと導いていたということが分かった。
この教育をもってして、ナチスドイツが必然として生まれたのだろうという見解。これはすごい。ナチスが悪いというのではなく、国民全体にナチズムの土壌が気づかれていた。徹底的に抑圧していく教育というものの怖さを知る。
製作当時、オーストリアでネオナチが台頭したことが背景にあるとのこと。やっぱり知識ないと大変だ。
相変わらず不穏な空気を出すのがうまいのと、子どもたちの顔が不気味で怖い。驚くくらいに冷たい。