Carroll

ゴールデンボーイのCarrollのレビュー・感想・評価

ゴールデンボーイ(1998年製作の映画)
3.2
秘密が持つ背徳的な魅力と恐ろしさ。そのバランスが人間心理に暗い影を落として絶妙なゾクゾク感を与え、チクチクと胸を痛ませます。誰しも秘密の1つや2つあるでしょ?

静かな余生を過ごす老人と成績優秀眉目秀麗な少年の邂逅。なんだかじんわりくるあらすじですけども全くそんなことないです。老人が持つ暗い過去、少年が抱く危ない好奇心。元ナチス高官と知識欲に支配される少年。2人の関係は徐々に取り返しのつかない所まで進んでしまいます。

原作は未読でしたので、冗長ですがスリリングな展開に目が離せません。
緻密な心理描写、繊細な登場人物達の心の機微が描かれており、とても丁寧だなと感じました。

高度に管理された現在の情報社会じゃありえない出来事かもしれませんが、日常に潜む恐怖がしっかりとホラー出来事感覚をみせつけてくれました!
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