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喜劇 駅前怪談のumihayatoのレビュー・感想・評価

喜劇 駅前怪談(1964年製作の映画)
5.0
駅前シリーズや社長シリーズが見たい夜もあらぁなということで。

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武田信玄の隠し湯がある山梨は勝沼。
町の発展の為に温泉施設を作りたいが、大手観光会社の侵略は防ぎたい町役場の森繁久彌。
地主のオババは村の青年であるフランキー堺を孫の婿に貰うことを条件に、大手観光会社でなく地元に温泉の権利を売ると言ってくれるが、ちょうどその頃フランキー堺は区長の娘とデキていた。
さていっちょ二人を破局させる策略すんべというお話。
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中盤からいきなりとってつけた様な怪談コントモードに(笑

この雑さがユルくて最高。

本筋の方は、策略組は馬鹿を見て若い恋人達はもちろんハッピーエンドになる。
「大きいもんの為に個人の愛や恋を壊しちゃダメよ」という当たり前のメッセージ。
策略による勘違いが原因で別れようという2人が、一緒に貯めていた貯金の割り振りを計算するうちに家計会議みたいになり
「これもう家庭じゃん」という感じになってヨリを戻すとこはほっこり心温まる良いシーン。

結局策略は失敗。
観光会社に土地は開発され、若者達は町から出ていく者と残って頑張ろうとする者に分かれる。
山を切り倒す工事風景での〆は今の世情では中々な皮肉オチに見えるが、これが結構希望溢れる感じになっているとこに、経済上り調子だった頃の日本の雰囲気を見る事ができるなぁと。
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