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少年は残酷な弓を射るのmiiのレビュー・感想・評価

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
4.1
赤が効果的に使われている。
血を連想させる色。

過去の断片と現在のパートが交互に飛ぶのだけど
エヴァの髪型で判断すると分かりやすい。

トマト祭りでのあの赤で 彼女は興奮状態となり
母体から強いエネルギーを胎児に与えてしまった。
赤のマイナス面は 怒りを表す強い感情エネルギーを持った色でもある事。

更には お腹が大きくなり 醜い身体となったストレス。
彼女は 太った者に酷い嫌悪感を表していましたから。
妊娠によって あのスペインのお祭りの開放感と自由と興奮を得るのは難しくなってしまった。

その負の感情が伝わり
ケヴィンは お腹に居た時から赤色が持つ怒りや暴力性と母親のストレスを受けて
居心地が悪かったのでしょう。
よって 潜在的に胎児の時から母親が嫌いだった。

子供が母親に懐いたかと思わせたあの絵本も
彼は 内容に興味を持っただけ。

ここで あのタイトルだから
彼の将来は予想がついてしまう。
なので この邦題はアウト!

わたしは観終わった後に 色のもたらす意味と
妊娠時のストレスが胎児に与える影響を調べた時に
なるほどな···と 後から興味深い映画だと思った作品でした。

何故 エヴァだけが?
強烈な赤色は 血の色でもあり 家族の繫がりをも表す。
血を分けた母子の不可思議な強い繋がりを示唆したのではないかな。

でも さすがにあそこまでの子供になってしまうのか?とも思ったけれども
事例があれば興味あるな。

エズラ・ミラーの美しさと怪演が際立っていただけに
あの事件が残念でならない。
mii

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