チーズ

ローマの休日のチーズのネタバレレビュー・内容・結末

ローマの休日(1953年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

やっと見れた。

お金稼ぎにネタを求め女王に近づく記者。ヨーロッパの王位継承者の女王様。
お互いがお互いの身分を隠して、嘘をついて一緒に観光地を巡ってあれこれするのが見てて楽しかった。アン女王は元々結構破天荒な性格で、ものすごく活発な人だと思うんだけれど、女王として人々の前に姿を見せる時は凛とし芯のある落ち着いた振る舞いをしていて、そのギャップが、見ていて寂しいような、尊敬できるような心地になった。普通の一人の女性として何もかも投げ出して生きられたらなんて多分これまで何度も考えたことはあって、その度に無理だと思って自分を律していたんだろう。けれど今回記者と出会ったことでそんな彼女の「普通」への焦がれはこれまでにないほど高まっていた。記者も最初は女王に付き合って行動するのは完全に金稼ぎのネタ狙いでしかなかったけれど、どんどん女王といるうちに楽しくなっていって、アン女王のことを一人の人間として見れるようになっていって良かった。お互いギリギリまでいっていたけど一線を超えてお互いの立場を捨てることはせず、思いを抱えたままそれぞれの日常に戻っていくのは切なかったけれど良かった。このひとときの思い出ができたことはアン女王にとってものすごく、何にも変え難い価値になったのだと思う。嬉しかった。
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