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雪の女王のチーズのネタバレレビュー・内容・結末

雪の女王(1957年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公の少女が、雪の女王に連れ去られた少年を助けにいくお話。

二人の少年少女は毎日仲良く遊んで暮らしていたが、ある日、軽口から雪の女王の怒りを買ってしまう。少年は心と瞳に氷の棘を刺されてしまい、おだやかで明るかった性格が豹変してしまい、意地の悪い人間になってしまう。少年はそのうち連れ去られてしまい、雪の女王の元で仲良くしていた少女のことも忘却しながら暮らしていくことになる。

そうして、少女は少年を取り戻すため旅に出ることになる。数々の誘惑、時には少女を手厚く助けてくれる心優しい人と巡り合いながら、風にも寒さにも負けずに懸命に氷の城へ向かう。そうして雪の女王にも勇敢に立ち向かった少女は、無事少年を取り戻すことに成功する。少女の温かな愛は少年に刺さっていた氷を溶かし、二人は元の生活に戻っていく。

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アンデルセンの原作を元に作られた映画ということで初めて雪の女王の物語を知ったのだけど、おそらくナルニア国物語も同じアンデルセン童話をモチーフにしているのだと見ていて気づいた。宮崎駿にも影響を与えていたという話だし、後世の映画、人に及ぼした力は大きかったのかもしれない。映画ではなく原作の方は、1844年頃発表されたもののよう。アナと雪の女王もそうだと思うし、童話の流れを汲んでつくられている作品というのを知らずのうちに目にしている機会って多いのだなと改めて気付かされた。

内容に関しては、絵本の絵がそのまま動いていてかわいらしかったのが、絵的な部分で魅力的に感じた。

あとは、主人公のゲルダが、船や水といった言語能力を持たないものにも当たり前のように言葉が通じるものと思って接しているのが印象的だった。動物と人とが当たり前のように会話をする作品はよくあるけれど、無機物や自然物にも魂があるものだと信じて人と同じように接する彼女からは、子供ならではの純粋さと、物や人、動物を平等に大切にするという彼女自身の優しさも感じられてゲルダが心から綺麗な人間であるという印象を強く受けた。そんなゲルダの人を疑わない純粋さと優しさは作品全体を通して終始真っ直ぐ貫かれており、旅の中で出会う周囲の動物や人々はそんな彼女を放ってはおけない。思わず手を差し伸べたくなるような輝きと温かさをもつゲルダは素敵な人だなと思う。そんな彼女の自然な在り方を私も少し見習いたいと感じた。
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