FLEE フリーのチーズのネタバレレビュー・内容・結末

実話を基につくられたアニメーションドキュメンタリー映画。
現在視点での男性の語りと共に、少年時代から今に至るまでの男の半生、苦難を振り返っていく。

共産主義の台頭により激化する内戦から逃れるためアミン少年とその一家は国外逃亡を決意するが、次々と人種差別や移民等の問題が立ち塞がり、悲惨な現実を目の当たりにしていくことになる。しまいには家族とも切り離され単独での国外逃亡を余儀なくされたアミンは、過去や自身も偽りつつ不安を抱えながらも新しい環境で過ごしていくことになる。現在は、パートナーであるキャスパーと共に新しい生活を歩み始めているようだ。

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アニメーションドキュメンタリー映画というものを初めて見たし、内容やあらすじも何も知らずに見たため驚いた。社会的な情勢、現実が実写の映像と共に直で伝わってくる。ずっと不安そうな顔をしているアミン少年のアニメーションの合間に、現実の、リアルの映像が挟まることにより、彼が見てきたもののリアリティが増していた。この映画はアニメーション映像だけで成立するものではないのだと実感させられる。私たち三次元と同じ次元に彼らのような人々が、現に、今、存在し苦難を乗り越えてきている（もしくはその最中）だということ。こうした人々はテレビの向こう、画面の向こうの他人事、ニュース報道の一部、ただの画面越しに見る情報なんかではないこと。普段自分がぼーっとただ存在していることや趣味ややりたいことを認められ没頭し、そのことについて悩んで過ごせる環境に当たり前のように身を置くことができていること。改めて、ちゃんと地に足をつけて考え直そうと思う。