Otun

誘惑のアフロディーテのOtunのレビュー・感想・評価

誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)
4.2
20年振り再見。近頃個人的に続いているウディアレン固め。こうなったらもう70作全部レビューするまでやるかな、
な、『誘惑のアフロディーテ』。

タイトルのアフロディーテは、ギリシャ神話の女神さま。
だので、今作、映画の中でギリシャ悲劇をモチーフにしたコロス(大勢で台詞を発する合唱隊)が随所に登場する。

現代のニューヨークに暮らす主人公(ウディアレン)の悩み等を受け、人生の暗示や予言を、そのコロス達がギリシャ悲劇の野外劇の様に演じるシーンが挟まれる。
が、中盤あたりから主人公の日常の中にもコロス達が出てくる笑。
夫婦の会話の時。barで売春の元締めを説得する時。様々なシチュエーションでコロスが出て来て主人公にやいのやいの言うやり取りは最高におもしろい。

人生には様々な転機や、偶然がある。
ブロードウェイ女優志望のポルノ女優出身の娼婦(どんな設定やw)を演じたミラソルヴィノは今作でアカデミー助演女優賞を受賞。
とんでもない美女なのに、声が変に高く、絶妙におバカさんでチャーミング。
終盤。
その娼婦が新たな出会いで、人生が希望に彩られる。
すると、それまでギリシャ悲劇の様に、様々な悲嘆を叫んでいたコロス達がブロードウェイの群舞の様に。
そして、そこからラストへの人生色々。
流れる「WhenYou'reSmiling」。もう、本当に素敵で素敵で。最高です。

『人生とは皮肉で、信じがたく、奇想天外で悲しくてすばらしいもの』。
うん、ごもっとも。
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