HicK

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーンのHicKのレビュー・感想・評価

3.8
《方向修正?見応えある完結作》

【修正された?コメディー】
毎度恒例、監督特有のゲスい下ネタや下らないギャグシーンはあるものの、今作は本筋のストーリーを邪魔しないぐらいに抑えてあって、ウケを狙うためだけのシーンは大幅に減った気がする。前作はギャグと本筋が迷走しまくっただけに少し反省?なのか。

ちなみに今作で1番笑ったのは、サムの上司のブルースとバンブルビーがじゃれてたシーン。でかいビーを子犬と遊んでるかのように楽しんでた姿には声を出して笑った。この毎度恒例の"ペット:バンブルビー"のくだりは自分のツボ。

【想定外のシリアスさ】
前回はピラミッドと絡めた話だったが、今作はそれ以上にアポロ計画やチェルノブイリなどの史実と絡めていて、掴みが良かったと思う。だからなのか、トーンもシリアス路線に。また、センチネルやディランの裏切りも作品によりダークな衝撃を与えていた。しかし、その衝撃のさなか、突然サムがケンカした恋人と仲直りしに行ったり、両親のコメディーシーンを挟んでしまうのはいただけなかった。避けられない監督イズムなのか…。

【前作から方向転換?】
ツッコミどころは山ほどあれど、前作までとは打って変わってエモーショナルなシーンが立て続けにあるのがちょっと好き。裏切りや別れ、死などの描写がシリアスに描かれ、登場人物たちのカットは同じシリーズと思えないほど緊迫感ある表情。音楽もダークな曲調が多くまさに世界の終わりと言った重厚感あるトーン。危機感が薄かった前作までのテイストからの脱却を目指したのか?どちらも"マイケルベイした作品"なら自分は今作のマイケルベイ感の方が好き。

【見応えのクライマックス】
今作も前作以上にラストのファイトシークエンスが長く見応えがあった。多分50分前後?様々なドラマや展開が詰まっていて、それぞれの人物に役割があり面白い。特に倒壊寸前のビルでの攻防は、監督得意の臨場感溢れるカメラワークで度肝を抜かれた。毎度アイディア溢れる画面構図に驚かされる。今回は3Dという事で全編にわたってより凝っていた印象を感じた。この「3D×マイケルベイ」はポイント高し。本当に素晴らしかった。

【最後に、】
これはどうしようもない事だけど、やはり今回のヒロインには感情移入ができなかった。最終回で初登場はちょっと可哀想だったかな…。

【総括】
好きなシリーズだが、文句も沢山あった前作と比べ今作は満足。一旦の完結作としてとても見応えがあった。メインシリーズ内では1作目と今作がお気に入り。んー、なんかマイケルベイ監督作を立て続けに観ると、自分の評価の感覚が分からなくなる(笑)。少しでも自分の好みに寄ってきてくれただけで100点満点みたいな(笑)。なぜか、上から目線で"甘やかす"感覚。すごい人なのだろうけど。すいません。
HicK

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