このレビューはネタバレを含みます
2014/1/17@DVD
東映実録ヤクザ映画の最後を飾った作品。それは、この映画が実際の抗争に影響を与えてしまったのが原因らしい。
さて、この映画、実話をもとにしていることもあるかもしれないけど、お話運びとかあまりうまくはないし、細かいところを指摘したら切りがない。ただ、それゆえある種の過剰さが露になっている。
まず、オープニングが雪に埋められて顔だけ出している西村晃をジープで引き殺そうとしている松方弘樹!この図は映画の中でも頻出する。どんだけジープ万能なんだ。
東映のヤクザ映画には、ある種の過剰さを身にまとった、はた迷惑ではあるのだけれども確かにカリスマを持った人間というのがよく登場するし、そういった役柄になったとき、松方弘樹や千葉真一といった役者は輝く。また、そういった人物に手を焼く小市民で小狡い人物、この映画で言えばハナ肇や遠藤太津朗が右往左往する様は素晴らしい。この両極は確かに自分たちが普段過ごす社会において存在するものであり、それを極端に振り分けることで娯楽に転じているのだろう。
喫茶店で襲来を受けたときに「いやいやいや・・・これ死ぬだろ」というくらいダメージ受けても生き残る松方弘樹、登場した瞬間から過剰なオーラをプンプンさせながらも、どことなくコントのような格好の千葉真一、そして、なぜかいつも雪の中で進行する場面。そういった要素のひとつひとつが、この映画を過剰なものにしている。