テヘランからかなり離れた、クルド人が暮らす山間の村。
茶色く乾いた、かなり起伏のある広大な大地の奥にある。
文明とは切り離されたような場所。質素だけど、何不自由なく暮らしている。
自然の岩を利用した家は、まるで古代の人々の住居を思わせる。丸いフォルムとカラフルな扉がどことなく洒落ている。
主人公はテヘランから来たTVクルーのディレクター。その村の独特の葬儀の様子を撮るために、はるばるとやってきたのだか、肝心の(?)老婆は命を繋いでいる。
2~3日の滞在の予定が、どんどんと延びていき、ディレクターの苛立ちも募っていく。
村で暮らす人々の表情を、淡々と映し出し、ディレクターの目を通して、日常の生活や習慣から、彼らの生き方や考え方が見えてくる。
アッバス・キアロスタミ流という感じ。
次第にディレクターの人間性も浮き彫りにされていって、シニカルなコメディにも思えたりする。
ただ、あまり大きなことは起きないので、体調の悪い日や、満腹時の鑑賞はお勧めしません。睡魔との闘いになりますw