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ハメルンの笛吹きのnagashingのレビュー・感想・評価

ハメルンの笛吹き(1972年製作の映画)
3.0
「夜明けの笛吹き」と化するドノヴァン。冒頭のアイリス・インと衣装と美術の作り込みに「牧歌的いいぞ〜」とルンルンになったが、まもなく閉塞的な街に舞台が限定。複雑な権力構造と暗黒中世の大定番に鬱然。多すぎる登場人物、横移動を多用した画面の混雑っぷりも息苦しさに拍車をかける。ドノヴァンの可愛らしいピロピロ笛ではカタルシスに達せず、いっそルグランのスコアで踊り出してほしいくらいだった。黒鼠が聖堂ケーキを食い破るキモいシーンが痛快に思えるほど全体的にはモヤる。上映前に席にあぶれたおっさんが通路に居座るとゴネてたのはアツかったです。
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