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E.T.のnoteのレビュー・感想・評価

E.T.(1982年製作の映画)
4.0
アメリカのある森に球形の光る宇宙船が着地した。彼らは地球の植物を採取するために来たのだが、その中の一人だけ森に取り残されてしまう。宇宙人は子供たちに見つかるが、子供たちは大人には知らせずに友達になる。名前をE.T.と名づけて、捕らえようとする政府の研究者から守り、宇宙に返そうとするファンタジーSF映画。

1977年公開の「未知との遭遇」で、人類と宇宙人のコンタクトを描いたスティーブン・スピルバーグ監督作品。
1982年の公開当時、世界興行収入ナンバーワンという記録を叩き出し、世界はブームに沸いた。
本作は、異星人と人間の男の子の友情を描いている。

なぜ、こんなにも世界中に愛されたのか?
それは見知らぬ者との差別なき心の交流が描かれたからだろう。

主人公の少年エリオットとE.T.は言葉の壁を超えて友情を育み、肉体的にもシンクロする。
文字通り、身も心も通わせた証拠だ。
突然、防護服を着た政府の研究者集団が家へと上がり込み、庭にはビニールに囲われた実験装置が設置される。
これは大袈裟な差別と隔離の隠喩だ。

かなり特徴的な容姿のE.T.だが、実は友好的で可愛らしい一面を持っている。
他人を見た目で判断してはいけないという教訓だ。

生きる場所も、見た目も、話す言葉も違う2人が次第に心を通わせていく。
有名な自転車での空中浮遊のシーンは、単なる科学者からの逃亡の手段ではなく、2人の願いのシンクロを美しく昇華させたシーンだ。
大事なものは、お互いを思い遣る気持ち。
それは宇宙共通なのだと教えてくれる。

大人になってから見ても、邪な視線や考察を抱いてはいけない作品の一つだと思った。
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