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空の大怪獣 ラドンの広島カップのレビュー・感想・評価

空の大怪獣 ラドン(1956年製作の映画)
3.1
ラドン温泉に浸かる度に本作の怪獣を思い出してしまうのですが、この責任を製作者はどう考えているのでしょうか。

【怪獣の名前の疑問】
何故かRodanと表記されるラドンの名前の由来はおそらくは恐竜プテラノドンから来ているのでしょうけれど、素直に頭から"プテラ"を外さなかったのは、モシそうするとお隣の国のミサイルみたいになってしまうからでしょうか。
ヤゴが巨大化したようなメガヌロンに関してはヌロンってなんだ?となります。メガは解りますけど、ではヌロンとはヤゴのことでしょうか?何処かの国の言葉でヤゴをヌロンというのだろうか?あるいは方言にあるのだろうか?疑問が尽きません。

【怪獣映画を怖いと思う理由】
本作を久しぶりに改めて観て、昭和30年代生まれの私が一連の怪獣映画に夢中になっていた理由に合点が行きました。
畳敷きで襖と障子窓のある部屋で育った私としては、その部屋に怪獣がいきなり立ち入ってくるシーンというのはそれこそリアリティの固まりでした。
いつも寝起きをしているような部屋にヤゴみたいな怪獣がキュキュキュキュ言いながら入ってくる様子は、なんて怖いんだと子供の頃は感じたものです。平成生まれの映画ファンは恐らく感じないであろう感覚です。
でも、もし仮に平成令和仕様の家屋に同様にしてキュキュキュキュキュ言いながら怪獣が入って来たら今の若い人は怖さを感じるでしょうか?
おそらく答えはNOだと思います。
もう一つ"耐性"という問題があります。今の若い人達にとってはCGの進歩による怪獣耐性がついているのではないでしょうか。ちょっとやそっとの怪獣では最早怖さは生まれないのではないでしょうか。
身近な環境に出現する怪獣に対して耐性が無いという恵まれた条件下において真価を発揮するのが、昭和怪獣映画の本当の魅力なのではないかと思います。

【舞台の考察】
ゴジラの東京と違ってラドンは九州が舞台。大都市圏と違って阿蘇の雄大な自然をバックに超音速で飛ぶラドンがカッコいい。ノシノシ歩くゴジラと違ってスピーディーに飛び周るラドンには広い空が不可欠。仮に東京が舞台だとすると容易に埼玉千葉茨城まで、あるいは栃木群馬まで飛んで行ってしまいそうです。
怪獣物に付き物の都市の破壊行為は福岡で済ませています。
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