Dachiko

ドライヴのDachikoのレビュー・感想・評価

ドライヴ(2011年製作の映画)
3.8
「この映画、好きなやつだ〜〜〜」と見終えた後素直に思えた。
とてもスタイリッシュなノワールフィルムだからだ。

主人公(ライアン・ゴズリング)は車の修理屋であり、カースタントマンであり、逃し屋でもある。彼は高等な運転テクニックを持ちどの仕事もスマートにこなす。
ある日彼は服役中の夫を待つアイリーン(キャリー・マリガン)と出会うのだが、その夫が帰ってきてから思いがけぬ事態に発展していく。

静かで淡々としている。
しているんだけど、物語は段々と悪い方向に進んで行く。
そしてその途中で度々見え隠れする主人公の狂気。

個人的にはそんなストーリーも好きだが、ゴズリングが演じる主人公のキャラクターも凄く好きだ。

主人公の名前は作中明かされないというのがまたミステリアスである。
そして、彼が話す時の独特な間や短い返事、優しげな微笑み、なぜか咥えている爪楊枝、車のハンドルに巻く腕時計、サソリが刺繍されたスカジャン。色んな要素が彼を魅力的に映していた。

今作の結末は、そんな彼にとても似合っている結末だと思う。