おだまき

天使のくれた時間のおだまきのレビュー・感想・評価

天使のくれた時間(2000年製作の映画)
3.4
「仕事」か「彼女」かの選択を迫られ、「仕事」を選んだ主人公。家族はいないが、お金は不自由なく仕事も充実した生活を送っていた。
ある日突然知らない家にいる主人公。そこは「彼女」を選び、家族と暮らす世界線で...。



仕事を中心に生きていた主人公を「宇宙人」と評する娘。子育ての仕方が全く分からなかったり、家計に見合わないスーツを買おうとしたり、「家族」を生活視野にいれない価値観は娘にとっては未知の生き物に見えるのかーと思いました。宇宙人という例えが絶妙で好き。あと、こんな親になりきれていない人現実にもいるなーとも思いました。

また、「家族」を生活視野にいれない価値観で私個人的に嫌だなーと思うのは、家族で楽しむイベント系を無視して仕事を突っ込もうとするところです。クリスマスや家族の誕生日などなど。その人が仕事を頑張るのはいいけれど、他人巻き込んで強要するのは、どうなの!?と思うことがあります。この映画だと、冒頭に同僚が「クリスマスなのに・・・」に対して主人公が嗜める場面は憤りを感じました。
エンディング後は、主人公が家族イベント系に理解を示してくれると信じています。


「彼女」を選んだ世界線でも、主人公が仕事重視の価値観を崩さない所は脚本として好きです。あっさり「家族好き好き!仕事より大事!」なら、彼が選んだ仕事重視の道は失敗だったことになります。車屋に来た社長さんにアピールして、仕事をもぎ取ろうとする姿に、彼が仕事重視の道を選んだ覚悟や、地位を登り詰めた根拠を感じました。


「家族」か「仕事」かには明確な答えはなく、その人の価値観によると思います。ただ、どっちの道を選んでも、選ばなかった側の人の考えも配慮出来る人でありたいと私は思います。

2020-26
おだまき

おだまき