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エクソシスト2の消費者のレビュー・感想・評価

エクソシスト2(1977年製作の映画)
3.4
・ジャンル
オカルトホラー/アドベンチャー

・あらすじ
幼少期、悪魔パズズに取り憑かれた過去を持つ少女リーガンは悪魔祓いによって救われ正常となった今も精神科医ジーンの元で検診を受け続けていた
彼女自身は当時の記憶はなく、病院へ通うのも母に心配を掛けない為と語っていたがジーンは今も生きている悪夢を克服すべきと主張
互いの脳波を繋ぐ実験的な催眠療法を2人はする事に
そこにかつてリーガンの悪魔祓いを担当し謎の死を遂げた神父メリンの遺志を継いだ死亡ラモントも彼の死の謎を調べるべく加わる
この催眠をきっかけに悪魔パズズがまだリーガンの中に潜んでいる事が明らかとなる
危険を感じたラモントは彼女を救おうと彼女自身に宿された力の助けを得ながらパズズを葬る手掛かりを探り始めるのだが…

・感想
少女リーガンに取り憑いた悪魔パズズとの悪魔祓いによる格闘を描いた名作「エクソシスト」の後日談を描いたシリーズ2作目

1作目は悪魔祓いというキリスト教的な題材を扱いながらも娘の変貌に苦しむ母や信仰を失いかけ自信も失った神父などを通し普遍的な苦しみや葛藤を描きつつ、ショック描写もインパクト大な名作
対して今作ではより宗教色が高まり、悪魔祓いの描写はおろか悪魔憑きの描写自体が極端に削られるなど世界観がかなり変わっている
更に「オーメン」1作目の様に調査パートがとにかく長く、サスペンスというより最早アドベンチャーと化していて期待していた物とは大分違った

黙示録を反映したであろうイナゴを軸とした展開自体は”良いイナゴ“というキーワードも面白い発想だし悪くない
ただそこに至るまでに無駄が多いのと序盤でユリ・ゲラーに言及されていた様に悪魔祓いを通り越して超能力的な方向に話が逸れていったりというのは飛躍が酷い
恐らく当時のブーム等を受けての事なんだろうけど…
何よりラストのパズズとの戦いが心理的な争いと肉弾戦になっていたのはもう何が何やら…

あとは無駄に登場人物が複雑に絡み合っているのも話を散漫にさせていたかなぁ、と
リーガンに依存する子守りのシャロン
医学的見地からラモントからリーガンを引き離そうとする医師ジーン
調査の過程でパズズに呑まれていく神父ラモント
心の中で善悪が拮抗しパズズと半ば同化しかけているリーガン
邪悪を打ち負かす力を宿したアフリカの聖者コクモ
それぞれは面白くなりそうな要素なのにゴチャゴチャさせた結果、前作にはあったシンプルな魅力が欠けてしまっているというか…
ショック描写もほぼ無かったし…

次作は今作に不満だった1作目の脚本家で原作者のウィリアム・ピーター・ブラッティが自らメガホンを取ったという事だけどどうなっているんだろうなぁ
文筆と映画製作の能力って両立出来ている人あまりいないと思うし…
最初から映画畑の人ならまだしも…
まぁ期待し過ぎずに観ます

しかし劇伴がモリコーネという事なのに音楽が印象に残らず残念だったなぁ…
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