味わいはそのままに、いわゆる続編の弛緩とは無縁です。
あらすじ（前作ネタバレあり）：
最速で前代未聞の決断を下し、二代目となったマイケル。戦後15年。もはや義理と胆力だけでは泳げない時代を、知略と武力で強行突破し、シマを拡大していく。
全てはファミリーのため。父のように強く大きくあろう。そこに曇りは無いはずだった…。
見所：
極上の演出、キャスト、音楽
人間関係が少し複雑
初代ドン、ヴィト・コルレオーネの物語から始まる本作。途方も無いマイナスからスタートした彼は、仁義礼行を重んじ、まず人を得、結果として富を得ました。
対してこれを引き継いだマイケルは巨万からのスタート。維持、向上させるために彼の選んだ手段が、彼の手元に残るものを決定づけます。
二人のドンの歩んだ道が交互に、対照的に展開され、観る者を離しません。
明晰なマイケルは、何故現状があるのか、どうするべきか、「わかっている」と言い聞かせます。しかし既に「わかっていない」ことを認識しています。それでもなおやり方を変えない、変えることを怖れます。時代なのだ、家族のためなのだ、と自分に言い訳をします。この苦悩と葛藤の描き方が見事です。
そして本作でも飛躍した名優が一人、ご存じロバート・デ・ニーロです。彼の演じた若き日のヴィト・コルレオーネは、どう転んでもマーロン・ブランドのドン・コルレオーネになってゆくようにしか見えません。徹底した役作りの賜物でしょう。
1をご覧になった方は2を観るしかない。そう言い切らずにはおれない、やはり名作なんですね。
