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悪魔を見たのblacknessfallのレビュー・感想・評価

悪魔を見た(2010年製作の映画)
4.3
凄絶な復讐映画の宝庫である韓国映画の中でも突出してエクストリームで常軌を逸した復讐でお馴染みのこれを再鑑賞。

強姦殺人鬼に妊娠中の妻を惨殺された国家情報部員のイ・ビョンホンが殺人鬼のチェ・ミンシクに復讐をする。
あらすじはよくあるパターン。しかし本作が他と違うのは、非常にあっさり犯人を特定し復讐があっさり果たされること。ここまで50分あるかないか。
国家情報部で警察の情報にもアクセスできることをいかして、それっぽい容疑者を数人ピックして見つけ出し一人一人に凄惨な拷問をして捜しだす。別の強姦殺人鬼だと分かってもついでとばかりにハンマー🔨でチンコを破壊する笑
そんな感じでサクッとたどり着きミンシクをボコボコッコのグチャグチャのバラバラにするイ・ビョンホン。
普通ならこれで話は終りなんだけど、「また来るからな」とミンシクに呟くイ・ビョンホン。

イ・ビョンホンは国家情報部の秘密アイテムらしきGPS&盗聴機能付きカプセルをミンシクに飲ませて、ミンシクの行く先々に現れミンシクに凄惨なリンチを加えていく。しかも「段々残酷になる」と予告したとおりリンチは凄惨値を増していく、1回目で腕をへし折り、2回目はアキレス腱を切断する😰
タイトルの『悪魔を見た』は殺人鬼のミンシクだけではなく復讐者のイ・ビョンホンのことでもある。あまりの展開に復讐映画の哀切や悲哀がブッ飛んでしまう。
しかも、ミンシクがイ・ビョンホンにリンチされるタイミングが強姦殺人の欲求が高まり犠牲者を襲う直前だから、ミンシクが一気に天国から地獄に落とされるギャグ効果が高い演出で思わず笑ってしまうんだよな笑
何度観ても唯一無二、復讐映画の極北だよ!

この極北復讐映画の本作、製作のエピソードもおもしろい。
名優の評価はあるがその風貌からゲスい悪人が多いチェ・ミンシクがたまにはイケメンな役やりたくなり本作の企画を映画会社に持ち込んだら「その悪人面とメタボ体型なら絶対殺人鬼っしょw」「殺人鬼やってくれんなら企画通すよ」と言われて、仕方なくお得意のゲスくて怖い殺人鬼を演じることに…笑
それを踏まえて観るとミンシクさんの本人史上最高と言えるエグくゲスい殺人鬼っぷりがさらに味わい深くなる。鬱屈を吐き出してるが故の天井を突き破った狂気に感動する笑
『仁義なき戦い 広島死闘編』で直前まで梶芽衣子さんとの悲恋を演じるヤクザ、山中役から、「いや、これ俺のが合うよね」という北大路欣也の一言から狂犬ヤクザ、大友役に変更された千葉真一さんの希代の大怪演と同じなんだよ!
後年、北大路欣也さんが、背中を千葉真一さんに竹棒でしばかれるシーン、クリアヒットされて痛くて怖かったと言っていた笑

今まで言ってきたことは有名な話だし映画を観てる人なら誰しも思うことで他にも言及してる人がたくさんいると思う。
そんなことより、おれが一番言いたいのは、イ・ビョンホンに最初に半殺しにされる強姦殺人鬼、彼は自慰行為の最中にイ・ビョンホンに襲撃されるんだけど、その時オカズにしてたののが日本のAVなんだよ。3回目の鑑賞で気づいたね。「イクッ~」って女優が声だしてたから。
これに気づきた人はそんなにいないんじゃないかな?
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