Chiva

メメントのChivaのレビュー・感想・評価

メメント(2000年製作の映画)
4.7
※2024年4月:リバイバル上映企画に心から感謝。知ってて観るとまた面白い!これリアルタイムで観て情報整理が追い付いていた人がいたらすごいですね。映画館で観たら音の臨場感も加わって一層の魅力を感じました。

主人公は亡くなった妻の復讐のために犯人を探す。直近の短期記憶が無くなってしまう記憶障害に苦しむ主人公は、写真やメモ、身体に刻むタトゥーを駆使し、少しずつ楔を打つように少しずつ真実に迫っていく…。

いやぁ、恐れ入りました。TENETと言い、時間の魔術師ですね。遊びまくっています。

何だこの話?真実はどこに?誰が味方で誰が敵?敵って何?どこがどう繋がる?

途中で筋を見破れそうで見破れず、疑問と緊張感とが途切れないままラストへ。

うわ、そう繋げたか…。

時間の流れが一方向ではなく断片的に語られる構成が、「記憶障害」という設定により違和感なく進んでいくのはさすが。(実はしっかりとした秩序があるからこそですが。)

アマプラだったので、気になったところだけもう1回観ようかなと思ったら…筋が分かっていると最初から面白過ぎて、結局2回目をしっかり観ちゃいました。

改めて観賞しても、時の遊びの中で全然矛盾を生じさせていない、むしろ謎解きと謎の構築に巧く利用していると知って驚愕。

SFの難しい概念や単語が出てこない分、登場人物1人1人の生々しい存在が息づいているようにも感じました。

ネタバレしたくないのであまり書けませんが、難解だと思ったら2回観てください。きっとその価値はあるはず。カラーとモノクロとは敢えて分けてあるので、そこを意識すると良いと思います。

3回目は少し時間をおいてから観てみようっと。良いお酒の供になりそうだなぁ。
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